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書籍・雑誌

2020.02.02

「アリエリー教授の人生相談室 行動経済学で解決する100の不合理」

行動経済学を思い切り軽い方向に振った本。

おもしろいところもあるけど、「予想どおりに不合理」を読んでおけば、十分かもしれない。

2020.01.27

「歴史の大局を見渡す」

「PRINCIPLES」で紹介されていた本だったと思う。

思った内容と違うし、ズバッと新しい歴史の見方を提示してくれるものでもなく、最初は戸惑いながら読み進めた。

ただ、結局のところ歴史にはいろいろなものが繰り返されていて、それらから何を見るかは人それぞれなんだと思えた。

特にそれを実感したのは以下の部分。本書は1935〜1975年に刊行された本をもとに構成されたものだが、今の世界そのものに思える。
これは予言ではなく、まさに過去何度も繰り返されてきたこと、ということなのだろう。

人種間、階級間の闘争が起きると、私たちは敵対する二つの陣営に分断されてしまう。政治的討論は憎悪のぶつけ合いに変わり、暴力で演壇がひっくり返されるかもしれない。経済が生みだした富をうまく配分できなければ、言葉巧みに国民に安心を約束する人物に独裁への道が開かれるだろう。そして、魅力的なスローガンを掲げた好戦的な政府が、民主的な世界を飲み込んでしまうのである。

2019.12.24

「ピボット・ストラテジー」

結構期待しただけ、読みながら腹が立ち、読み終わってガッカリした。

こんな、アクセンチュアコンサルのショーケースみたいな本をなぜ金を払って読まないといけないのか…。
基本的なことしか書いてなくて、詳しくはアクセンチュアまで、みたいな本。

フレームワークっぽいことがあると思わせて、単なる単語の羅列とうまくいった事例の紹介だけで、なぜうまくいったのか、うまくいかなかったものとどう違うのか、という具体的なことがほぼ何も書かれていない。
これだけの抽象度で十分という大企業のトップ向けの本ということなのか…。

2019.11.30

「ミャンマーの柳生一族」

ミャンマーを日本の江戸時代の政治状況に喩えている部分は、やや滑り気味だと思うが、それでもミャンマーについては色々と学ぶことができるし、ミャンマーの人々の魅力が伝わってくる。

例え鎖国していても、国内に多種多様な文化があるから、逆に外国人に対してもオープンなのではないか?という著者の主張はなるほど、と思えた。

2019.11.24

「外資系コンサルの知的生産術」

タイトルから敬遠していたけど、prime readingにあったので読んでみた。

前半は良いこと(若手向けとのことだけど、この歳で読んでも改めて確認できることが多い)が書いてあった。
ただ、全体的に引用や事例紹介が雑すぎる。どれか忘れたけど明らかに間違いというものもあったし、スティーブ・ジョブズがサイコロを振るという文を本当にサイコロを振るかのように書いてあった(ギャンブルの喩えと捉えているように読めなかった)りで、大丈夫か?と思ってしまった。

2019.11.10

「なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則」

結局のところ、同じことをやってもうまくいく、いかない場合があるのだし、もっと詳細に踏み込んで説明しないとあまり参考にならない。
取材元の許可など限界はあるのだろうけど、これはちょっと残念。

その点、何人か取材に応じた元社長の言葉は、貴重だった。これをもっとたくさんやって欲しかった。

2019.11.02

平野啓一郎「ある男」

「ある男」の数奇な運命を軸にしたストーリーに引き込まれ、その過程で今の日本の問題が描き出されていく。

ただ、そんな浅い話にとどまらず、著者のライフワーク的な人間のアイデンティティとは何か?という根本的な問いに対して、その人の過去という切り口から迫っていく。

読むこと自体も楽しく、ストーリーも面白かった。
テーマについても、自分でもいろいろと語りたくなるけど、まだ考えがまとまらない。

2019.09.29

「PIXAR 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話」

とにかくよくできたストーリーで、結果がわかっているとはいえハラハラドキドキしたり感動したりした。ビジネス書としても勉強になるところもあるし、本当にオススメの1冊。

出てくる人たちが皆めちゃくちゃ優秀で、それもその道のプロとして優秀というだけでなく、ジョブズを操縦できる(ジョブズの言葉の翻訳の風味のためか、大人な著者からの視点だからか、本書でのジョブズは可愛く思えてしまう)人間的スキルまで完璧という。傑物がたくさん出てくる時代小説でも読んでいるような気分も味わえる。

登場人物の中で印象的(小ネタ的なところだけど)だったのは、「エンタテインメント・ビジネス―その産業構造と経済・金」というマニアックな本を書いたハロルド・ヴォーゲル。著者はピクサーに来た当初、エンタテインメント業界でのビジネスを学ぶのにこの本を読み込み、とにかく厳しい構造であるということを学ぶ。
そして、PIXARのIPOの際にエンタテインメント業界へのお墨付きを与える役割を彼と彼の投資銀行に依頼する。

そんなことは止めたほうがいいよと言われるかもしれないと思っていたが、返ってきた言葉は違った。 「詳しい話をお願いします。ピクサーはおもしろそうだと目を付けていたんですよ」
 想像もしていなかった反応だ。私は、ピクサーのストーリーをいつものように語った。 「うーん、いいですねぇ。実にいい。エンターテイメント業界で必要なものがぜんぶそろってるんですね」

PIXARの成功後、その本の改訂版に、PIXARが例外的に成功を収めたことやその理由が追加されていた、という渋いエピソードもよかった。

2019.09.20

グレッグ・イーガン「ひとりっ子」

グレッグ・イーガンの短編集。

以下、ネタバレあり。

最初の「行動原理」が一番よかった。
恋人を殺した人間に復讐するため、人間は肉の塊に過ぎないという信念を生じさせるインプラントを使用した主人公。仇を何なく殺すことができたが、亡くなった恋人に対する愛や、彼女を失った悲嘆までがバカバカしくなってしまい、その安らぎに気づいてしまうという皮肉な結末が切なかった。

2019.09.16

「THE ONE DEVICE」

iPhoneの開発ストーリー的なもの、特にその商品コンセプトはどこから(もちろんスマートフォンというコンセプト自体は相当前から多くあったことはわかった上で)来たのかには興味がある。

「スティーブ・・ジョブズ」(今、このブログに感想を上げていないことに気がついた)ではジョブズの視点からROKRの失敗から携帯電話を自分たちでやろうと決めたというきっかけが書かれ、「ジョナサン・アイブ」ではその前にIDgにマルチタッチ技術が紹介されたところまで遡っている。

そして本書ではさらにその前、ENRIという実験プロジェクトがマウスとキーボードに代わる入力テクノロジーを模索していて、偶然フィンガーワークス社のトラックパッドに出会うところまで遡れる。フィンガーワークスが目指していたもの、またENRIチームを始めとするiPhone開発の重要人物たちのバックグラウンドなどが描かれていて、ピースが埋まっていくようで面白かった。

ただ、それらのエピソードを、Appleの秘密主義の壁を乗り越えて元従業員たちから集めたとしても1冊の本にするほどの分量にはならず、iPhone(というよりスマホ全般だと思うが)を構成する素材や技術を遡り、また廃棄されたiPhoneの行き先などについても取材をしている。
正直これらはオマケでページを埋めるためだけのものかと思っていたが、こちらもFoxconnの工場の様子など予想以上に興味深い内容だった。

他、iPhoneのインタフェースが映画「マイノリティ・レポート」からかなり影響を受けていたこと、手ぶれ補正技術はPanasonicのブレンビー(懐かしい!)の頃開発されたものが今の標準になっていること、アップルとグーグルが良い関係だった頃のMapやYoutubeアプリの開発エピソードも意外なところだった。

一番笑ってしまった(でも怖かった)のは、やはり鉄板のスティーブ・ジョブズのエピソード。
iPhoneのKeynoteでアドレス帳のデモをする際に、トニー・ファデルを削除して、その後ファデルをクビにしたという…。

「どうせいつかは起きたであろう社内政治、すなわちトニー(・ファデル) の社外追放を一段と早める結果になりました。それは予告されていたのです。彼(ジョブズ) がデモのなかで、スワイプしてトニーを削除した場面を見たでしょう。デモの導入部で、〝連絡先〟の管理がいかに簡単かを見せた場面です。(連絡先を) スワイプ一つで削除する操作をしながら、〝何か不要なものがあれば、難しいことは何一つありません。ほらね、ただスワイプ一つでいいんです〟とかそんな感じでした。そこで削除された名前はトニー・ファデルでした。」

「僕は〝マジかよ……〟って思いました。開発プロジェクトに関わっていたアップル社員はみな〝なんてこった〟って感じでした。あれはメッセージだったんです。彼は要するに『トニーは出て行く』と告げたんです。なぜなら、リハーサルではトニーを削除などしなかったんですから。リハーサルの時は、そのたびに適当に選んだ別の人を削除してました」



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