書籍・雑誌

2018.05.19

「ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現」

人類の意識レベルが発展するにつれて、社会を刺させる組織制度も進化していく、現在は「達成型(オレンジ)」パラダイム」(ただその前の段階の「順応型(アンバー)」の日本企業も多い気はするけど)であるが、さらに「多元型(グリーン)」「進化型(ティール)」へと進むことができるという。

とても刺激的な主張で、前半はワクワクしながら読んだのだが、後半はスピリチュアルな方向に話が行ってしまい、ついていけなかった。まだ自分はこの進化を丸ごとは受け入れられないのだろう…。

やはり、つっこみたくなったのは以下の点。
・他に先駆けて進化型(ティール)組織へ移行した企業の成功例が紹介されているが、結局のところ「優秀な人の自主性を重んじて、足枷となる管理を無くした」だけのことではないのか?
・あたかも利益は後からついてきた、みたいな書き方をしているが、ではどうやってサービスや製品の販売価格を決めるのか?市場価格と同じにして、従業員のやる気(優秀さ)で顧客満足度が高い一方で、管理費が削減されているので、利益率が高くて儲かってしまう、みたいな感じなのか?そうとは思えず、結局会社が継続できるだけの利益を設定しているのではないのか?
・全ての企業が進化型に移行したら、どうなるのだろう?

最後の部分は、そもそも現在の資本主義経済の限界が見えてきているなかで、より大きな観点で考えるべきことかもしれない。
そういう刺激を与えてくれる本であることは間違いないと思う。

2018.04.13

「プロフェッショナルマネジャー」

ファーストリテイリングの柳井会長の「経営者になるためのノート」(タイトルが恥ずかしかったのでブログに書いてなかった(^^;)は理論よりは、いかに実行してやり切るのか、という部分にフォーカスした本だった。まさに自分が悩んでいたところに対するヒントがたくさん書いてあった。

その柳井会長が「教科書」というのがこの本で、柳井会長の解説が最後についている。
本社スタッフと現場(事業部)がチームとなって、計画をやり遂げるための課題解決に取り組む「仕組み」について、実際の経験をもとに書かれてあり、とても参考になった。

ただ、この仕組みを支えるのはワーカホリックで献身的なトップと、他社より高い報酬で得られる優秀な人材、というところは、やはり世の中そんなに甘くはないなぁと思わされる。

後半は著者のやや愚痴っぽいエッセイ集のようになってしまうが、前半だけでも十分濃厚で、勉強になった。

2018.03.11

「東芝の悲劇」

野次馬的な立場と、他人事とは言い切れない今の業務の立場からとで読んだ。

ここまで歴代の社長のことを悪く書けるのもすごいし、それを裏付ける証言があるのもすごい。
別に読んだ本での分析でもあったが、役員まで出世する人間というのは仕事もできて人望もある(ごく一部に対してであることも多いが)ことが基本であるはず。おそらくこれらの歴代社長もその基本スペックは満たしていたのではないだろうか?

なのにこういうことになる、というのは「仕事ができる」ということの定義がおかしいのだと思う。上からみて仕事ができると思われるのは、要するに上に対しての気遣いができるということで、成果だってたまたま環境がよくてあげられたことも多いのだろう。
印象や成果だけをみるのではなく、実際にどういう資質を持ち、どのように仕事を進めてきたのか、ということまで踏み込んで評価しなければ、責任が伴う立場につけてはいけないのだと思う。東芝に限らず、そんなことばかり…。

本筋から外れるけど、2点、なんじゃこりゃという記述があった。こんなことが書いてあると他の部分も信憑性が吹っ飛んでしまうのだけど。

アラン・ケイ研究員が七〇年代に書いた「パーソナル・ダイナミック・メディア」という論文に「個人が持ち運べる電子文房具が登場する」とあったのを思い出し、据え置き型のデスクトップではなく、個人が持ち運びできるパソコンを開発しようと思い立った。後に溝口はダイナミックとブックをかけあわせて自社製品を「ダイナブック」と名付けることになる。
いや、こちらの方が正しいとするとビックリ。当時あのダイナブックの名を使うのはどうか?と散々批判されてたはず。
当時は五インチのフロッピーディスクが一般的だったなかで、あえて三・五インチのフロッピーディスク・ドライブ(FDD)を採用している。
いやいや、Macが3.5インチ使ってたからでしょう。

2018.02.27

「野村のイチロー論」

歴代の名左打者(若松や前田智も)の解説や、第二回WBC決勝戦の城島のリード、日本シリーズで対戦した時の話(珍しく?古田を褒めてる)、など、ところどころはおもしろいのだが、やはり企画に無理がある。乗せられて買った者が言うのも何ですが…。

特にイチロー語録にノムさんが解説をつけても全くおもしろくない。
実力でイチローを認めざるを得ない一方で、素直に認めたくはないというヒネくれたところは、少し楽しめるけど。

対談ぐらいさせて欲しかった。

2018.01.18

アンドリュー・S・グローブ「パラノイアだけが生き残る」

アンディ・グローブといえば、というほどこの本のタイトルは知ってたし、読みたかったのだが、なぜか絶版。ようやく復刊したのでそのうち読もうと思ってたら、プレゼントに当選!

まず、インテルの物語はやはりおもしろい。「インテル 世界で最も重要な会社の産業史」「HIGI OUTPUT MANAGEMENT」も本当に好きな本だし、本書にもメモリ事業からの撤退は重要な事例として書かれている。

すでにスタンダードとでもいうべき本なので、他の本などを通して本書の主張は自分に入ってきてたものばかりではあるが、それでもアンディ・グローブの言葉として、インテルの物語として読めたのはよかった。

2018.01.02

アイザック・アシモフ「夜来たる」

表題作も面白かったが、結末でクスッとさせられる「緑の斑点」や、不気味な余韻を残す「ホステス」もよかった。

2017.12.16

「清原和博への告白 甲子園13本塁打の真実」

ひねくれた当時最弱のスワローズファンの高校生だったので、PL学園、中でも同い年のKKコンビは大嫌いだった。
PL学園を倒してくれそうな学校をとにかく応援してたし、取手二や伊野商がPLに勝った試合は今でもよく憶えている。

しかし桑田が巨人へ、そして巨人を熱望していた清原が西武に行ってからは、清原の方だけは応援していた(FAで巨人に行ってからは除く(笑))。入団一年目で31本塁打を打ったのには驚いたし、野村スワローズとの最初の日本シリーズ対戦で、荒木大輔から打ったホームランの凄さもよく憶えている(今見ると少し甘いとも思えるけど、外角の変化球をあんな簡単にホームランにするとは:ただ清原はこのシリーズではそれ以降あまり活躍してない)。

そんな清原が甲子園で打った13本のホームラン。それぞれ打たれた投手を30年後に取材したのがこの本だ。

長い年月を経ているので美化したり大袈裟になっているところもあるとは思うけど、それにしても、打たれた投手が皆驚く清原のスイングスピード(打たないと思ったら突然バットが出てきて…)と強運(なぜか甘いところに行ったり変化球が落ちなかったり)には、やはりそういうものなのかと感心した。

一方で、気さくに他校の選手と打ち解ける普通の高校生らしさとのギャップも面白い(桑田の変人じみたエピソードもすごいけど)。

そして、打たれた投手、また登板できなかった投手たちのその後も波乱万丈なものが多い。甲子園のマウンドに立つなんて、それだけでかなり特別な経験だし、そこに来るまでに犠牲にしたものが大きかったのか、彼らもまたある意味「特別」なのか。一度追跡調査して統計取ってみると本当に高校野球が教育に役立っているのか評価できるかも。

読んでて、ジーンとするところもあって、こんな気持ちにさせるプロ野球選手なんてそんなにはいないと改めて思う。何らかの形で野球に戻ってきてほしい。

2017.11.23

「ジョナサン・アイブ」

Apple贔屓としては当然、ジョニー・アイブってすごいらしいやん、と知ってはいたけど、こんなにすごい奴だったとは知らなかった。
確かにiPhoneやMacBook Airなどのビデオで製造工程のイノベーションを語っていたけど、実際に深くそこまで関わっていたとは思ってなかった。

昔仕事で、Appleみたいなデザイン志向の製品開発プロセスをやりたいデザイン部門と相当に緊張関係があったことを思い出した(本書に出てくるジョン・ルビンシュタインやスコット・フォーストール側だった)。
もちろんそうすることの重要さまでは理解できるものの、ジョブズのような人が社内にいるのか?という疑問が最後まで消えなかったのだった。しかも最後は「偉い人」の一言でとんでもないものになることもあったし…。

最近はどんな感じになっているのだろうか?

2017.11.06

村上春樹「ロング・グッドバイ」

「長いお別れ」は12年ほど前に読んでから、何度か読み返していたが、この新訳版を読んでもほとんど違いがわからなかった。あまり細部まで読み込んでいなかったのだろうか…。
逆に言えば雰囲気は旧訳版とほぼ同じで、やはりこの雰囲気とストーリーが好きな作品だということは再認識できた。後述する村上春樹自身による解説を読んで納得したけど、フィリップ・マーロウだけの魅力ではなく、ロスの街の描写に込められた愛着のようなものも魅力がある。

本書の一番の読みどころは訳者村上春樹による解説で、これが熱い。村上春樹の本なんてそんなに読んでないけど、これほど熱く語っているのが意外で、楽しく読めた。

2017.11.04

城山三郎「官僚たちの夏」

まずまずおもしろかっったけど、やはり「落日燃ゆ」と同じイライラが募ってしまった。「雑だ」ということを美学のように押し出して、細かいことにこだわらないのはいいが、結局それが自分の理想の実現の妨げになってしまう。

本人はそれで良いかもしれないが、部下など周囲の支持者が気の毒すぎる、と書いていて、身につまされるところがあるのが読んでいて辛かったのかも。

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